首相TPP「大きな好機」対策本部設置表明



安倍総理大臣は、TPP=環太平洋パートナーシップ協定交渉が大筋合意に達したことを受けて記者会見し、中小企業や地方に大きなビジネスチャンスを与えるものだと意義を強調したうえで、国内農業への影響を最小限に抑えるため、政府内にすべての閣僚による総合対策本部を設置し、責任を持って必要な対策を取りまとめる考えを示しました。

この中で、安倍総理大臣は、TPP=環太平洋パートナーシップ協定交渉が大筋合意に達したことについて、「新しいアジア太平洋の世紀、いよいよその幕開けだ。日本とアメリカがリードし、自由と民主主義、基本的人権、法の支配といった価値を共有する国々とともに、このアジア太平洋に自由と繁栄の海を築き上げる」と述べました。そのうえで、安倍総理大臣は、「TPPは、まさに国家百年の計で、私たちの生活を豊かにしてくれる。その主役は、きらりと光る技を持つ中小、小規模事業者の皆さん個性あふれる、ふるさと名物を持つ地方の皆さんだ。意欲あふれる地方、若者の皆さんにはぜひTPPという世界の舞台で、このチャンスを最大限生かしてほしい」と述べました。
一方、安倍総理大臣は「『TPPに入ると農業を続けていけなくなる』と大変な不安を感じている方々がたくさんいることを私はよく承知している。美しい田園風景、伝統あるふるさと、日本が誇るこうした国柄をこれからもしっかりと守っていく。その決意は今後も全く揺らぐことはない」と述べました。
そして、安倍総理大臣は、TPP交渉でコメや麦など農産物5項目を関税撤廃の例外とするよう求める衆参両院の農林水産委員会の決議を踏まえ、重要品目を関税撤廃の例外とすることができたとしたうえで、国内農業への影響を最小限に抑えるため、政府内にすべての閣僚をメンバーとするTPP総合対策本部を設置する考えを示しました。そのうえで、「今後、具体的などのような影響が生じるかを十分に精査し、TPP協定の締結について国会の承認を求めるまでの間に政府全体で責任を持って、国内対策を取りまとめ、万全の措置を講じていく考えだ」と述べました。
また、安倍総理大臣は、中国との関係に関連し、「基本的価値を共有する国々と相互依存関係を深め、将来的に中国もTPPに参加すれば、わが国の安全保障にとっても、アジア太平洋地域の安定にも大きく寄与し、戦略的にも非常に大きな意義がある」と述べました。


内閣改造「1億総活躍社会を実現する」

一方、安倍総理大臣は7日に行う内閣改造について、「少子高齢化社会に歯止めをかけ、誰もが活躍できる『1億総活躍社会』を作るための野心的な目標を実現するためには、内閣一丸となり、いままでの発想にとらわれない大胆な政策を立案し、実行していくことが必要だ」と述べました。そのうえで、安倍総理大臣は、「司令塔たる『1億総活躍担当大臣』には、省庁の縦割りを廃した広い視野、大胆な政策を構想する発想力、それを確実に実行する強い突破力が必要だ。奇をてらうのではなく、仕事重視でしっかりと結果を出せる内閣にしたい」と述べました。また、安倍総理大臣は、臨時国会の召集について、「10月、11月にも、多くの国際会議や海外出張が予定をされているわけであり、党と相談をしながら決めていきたい」と述べるにとどめました。

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TPP=環太平洋パートナーシップ協定交渉が大筋合意を受けて、参加12か国は、今後、協定案の内容が法的に矛盾していないか、詳細にチェックして最終案を取りまとめる作業を行います。

TPPの協定が発効するためには、各国政府が協定に署名し、その後、各国の議会で批准される必要があります。
アメリカの場合は、政府が協定に署名する90日、3か月前までに議会に協定内容を通知することが法律で定められているため、オバマ大統領が署名するのは少なくとも来年の1月以降となり、議会での審議に入るのに一定の時間がかかります。
日本も政府による署名のあと、国会で協定内容を審議し、批准する手続きをとることになります。また、合わせてTPPに関連する国内法の改正手続きも並行して進めることになります。
協定を発効する条件としては、すべての参加国が署名後2年以内に議会での批准手続きを終えるか、2年以内に参加国すべてが手続きを終了できなかった場合、TPP全体のGDP=国内総生産の85%以上を占める、少なくとも6か国が批准手続きを終えると協定は発効することができるようになります。
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首相 TPP総合対策本部の設置指示

安倍総理大臣は、TPP=環太平洋パートナーシップ協定の交渉を終えて帰国した甘利経済再生担当大臣と会談し、速やかにすべての閣僚をメンバーとする総合対策本部を設置し、中小企業の発展や生産性の向上につなげる具体策を取りまとめるよう指示しました。

甘利経済再生担当大臣は、大筋合意に達したTPP=環太平洋パートナーシップ協定の交渉を終えて、6日夜帰国し、7日午前、総理大臣官邸で安倍総理大臣に大筋合意の内容を報告しました。これに対し、安倍総理大臣は「非常によくやってくれた」と、6日間にわたった交渉の労をねぎらいました。
そのうえで、安倍総理大臣は、TPPを経済再生や地方創生につなげるため、すべての閣僚をメンバーとするTPP総合対策本部を速やかに設置し、大企業だけでなく地方の中小企業などの経済活動の発展や、日本経済全体の生産性の向上につなげる具体策を取りまとめることや、国民の不安を払拭(ふっしょく)するため丁寧に説明することを指示しました。
会談のあと甘利大臣は記者団に対し、「速やかに総合対策本部を開き基本方針を策定する。日本の農業の弱いところを守るだけでなく、大事なのは攻めの農政であり、強みを前に出して攻めていくことが必要だ。日本の農業を成長産業にするスタートにしたい」と述べました。
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<TPP大筋合意>「コメ聖域」何だった…農家困惑 / TPPテコに世界経済の活性化を…ポイントは?これまでの経緯は?
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